甘えん坊とハンターの顔を持つミネ
私(康大地)の家には、家族全員をメロメロにする小さな「女王様」が君臨している。愛猫のミネだ。
彼女に宝石のようにキラキラした瞳で見つめられると、まるで心の中まで優しく見透かされているような気分になる。結局、家族の誰もが「ミネが一番」という暗黙のルールの下、彼女のわがままを喜んで受け入れるのである。
そんなおっとりとした甘えん坊の彼女だが、時折、ハンターの顔を見せることがある。彼女を最も熱くさせるのは、どこにでもある、ただの一本の紐だ。
私がその紐を手に取った瞬間、空気は一変する。さっきまで潤んでいた愛らしい瞳は、獲物を射抜く鋭い眼光へと変わり、低く構えたお尻を小刻みにふりふりして、跳躍のカウントダウンを始める。そこには、膝の上で喉を鳴らしていた甘えん坊の面影など、微塵も残っていない。
ミネとの真剣勝負
紐が床を「シュッ」と這えば、ミネは弾丸のような速さで突っ込み、夢中で前足を繰り出す。格闘の末、紐をがっちり捕まえると、夢中でその紐をガジガジと嚙み始める。その生命力あふれるパワフルな姿を見ているだけで、仕事でクタクタになった私の疲れも、いつの間にかどこかへ吹き飛んでしまうのだ。
しかし、ここからが彼女の最高に面白いところ。 激しいバトルの末、紐を完璧に押さえ込んでいた彼女が、ふと我に返ったようにピタッと動きを止める。そして、じっとこちらを見つめ、再び紐が動き出すのを待っているのだ。
その希望に応えて再び紐を動かすと、彼女は「待ってました!」と言わんばかりに瞳を輝かせる。その後は、私の腕がパンパンになるまで続くミネとの真剣勝負。
何気ないやり取りの繰り返し
さすがに疲れ果て、椅子に座って一休みしていると、彼女は音もなく足元にやってくる。そして、上目遣いで「ねえ、もう終わりなの?」と、切なげな瞳で訴えかけてくるのだ。
その目を見るたび、私の決意はぐらぐらと揺らぐ。 「ごめんね、いまお休み中なんだ……」 そう優しく断っても、彼女はしばらく無言で私を見つめ続け、やがて悟ったようにゆっくりと背を向けて去っていく。その、ちょっぴり寂しげな後ろ姿を見送る時、私の心にはいつも、甘酸っぱい良心の呵責がチクンと走る。
愛猫ミネとの生活は、こうした何気ないやり取りの繰り返し。けれど、そのどれもが宝物のように愛おしい。 明日は、彼女の宝石のような瞳に、どんな楽しい景色が映るのだろうか。
文=康 大地(こう だいち/韓流ジャーナリスト)
画像=Gemini



コメント