「ハシゴ酒の聖地」と喜んで呼びたいのが大阪の「天満」!

飲食楽園

フグに焼肉、至福のラインナップ

「食い倒れの街」大阪に行くと、最高の楽しみになっているのが居酒屋めぐりである。本当に、安くて美味しい居酒屋が多い。難波、梅田、鶴橋、新今宮、京橋とたくさん回ったが、私(康大地)がやっぱり一番ワクワクするのが天満だ。ここは「ハシゴ酒の聖地」と呼んでもいいくらいだ。JR環状線で天満駅は大阪駅から一つ目。立地条件は文句なしだ。

路地にびっしり並んでいる中から、1軒目は立ち呑みの「まさいち屋」を選んだ。母親と息子が仕切っている店で、あったかい雰囲気をかもしだしている。冬なら、トラフグのてっさが500円くらい。この値段でフグの刺し身を堪能できるのだからたまらない。

メニューには新鮮な魚介類が安い値段でズラリと並んでいるが、焼肉も抜群にうまい。カルビやタンがあまりにいいので、ビールがグイグイと進んでしまう。しかし、ここで腹をいっぱいにするわけにはいかない。後が控えているからだ。

「酒の奥田」が客を呼ぶ秘訣

2軒目は「酒の奥田」。待ってました、と掛け声をかけたいくらいの「天満のエース」だ。カウンターが縦横に広がっている感じで中は広い。それでも、客がひっきりなしにやってきて、店内は活況を呈している。

メニューは百花繚乱のごとく充実しているが、かならず食べるのがクジラだ。赤身、ベーコン、さえずりを何回もお代わりする。店長もそのことがわかっていて、注文する前からクジラの赤身を切り始めるくらいだ。このせっかちさが嬉しいね。

それにしても、ここのクジラはなんでこんなに美味しくて安いのか。条件のいい仕入先を持っているからだろう。そうでなければ、これほどの赤身をいつも食べることはできない。そういう意味で、「酒の奥田」は食材の吟味がスバ抜けているのだ。それが、これほどの客を呼んでいる秘訣に違いない。

毎日がサービスデー

そうした客の会話もとても楽しい。どのカウンターでも話がはずんでいて、笑い声が絶えない。みんな、幸せ気分が満載なのだ。

そんな客たちがよく食べているものを見てみよう。メニューの中心を担っているのは新鮮な刺身、煮込んだおでん、串揚げなどである。刺身は本当に充実していて 400円から500円の間にマグロ、ヒラメ、カツオなどの旬のものが揃っている。とにかく切り身が大きい。それゆえ、抜群の食べ応えを持っており、口に入れる度にとても嬉しくなる。

おでんも具が豊富なのだが、同じようによく食べるのがカキの湯引きだ。カキがプリプリしていて、やみつきになる。3回でも4回でもお代わりしたくなるほどである。

串揚げはクジラを筆頭に牛肉、豚肉、鶏肉とオールキャスト。ただし、クジラは一番人気であり、早めに行かないと売り切れている場合が多いので注意したい。

アルコールの種類も盛りだくさんだが、大瓶のビールが原価に近い形で提供される。これがあるから、毎日がサービスデーという気分になる。そうやって「酒の奥田」で気持ちよく飲んだあとは、余韻を楽しむように他の串焼き屋に行って、私はチビチビと日本酒を飲んだ。心地よく酔ってきた。かくして、天満の夜は更けていく。

文・写真=康 大地(こう だいち/韓流ジャーナリスト)

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