仕事の疲れを癒すのに最適!韓国ドラマ『ジャガイモ研究所』はエリート主人公のキャラ変が痛快

韓流
出典:Gemini

舞台は辺境!注目の主役コンビが誕生

韓国ドラマ『ジャガイモ研究所』は全12話のヒーリング・ラブコメ。今の混沌とした時代だからこそ必要とされる作品かもしれない。それほど「癒し」の要素が強いのだ。それだけに、仕事に疲れてのんびりしたいときに見ると本当に役立つ。実際、私(康熙奉)は一応の仕事が終わったときに息抜きとしてこのドラマを見ていた。

『ジャガイモ研究所』は、カン・テオとイ・ソンビンが主役コンビになっていて、大都市から遠く離れた辺境のジャガイモ研究所が舞台になっている。(ここから先は、ドラマのあらすじに関する記載を含みますのでご注意ください)

カン・テオが演じているキャラクターは、好感度が抜群だった『ウ・ヨンウ弁護士は天才肌』とは真逆だった。彼が扮したソ・ベクホは大企業「ウォナンリテール」で歴代最年少の役員になったエリート。確かに輝かしい職歴を誇っているのだが、プライベートな生活を楽しむタイプではなく、友人もいない。しかも、仕事上では人情が一番邪魔だと考える人間なのである。

ベクホの肩書きは組織革新担当理事。実際にやっていることは、死神のようなリストラ請負人だ。系列会社を回りながら容赦なく要らない部署をつぶしていく。社員からどんなに土下座されても血も涙もない対応を繰り返している。そのあげくに、完璧主義だと自負して自己陶酔に陥る。周囲から浮いてしまうはずだ。

キャラクターの変化を可笑しく演じるカン・テオ

そんな彼が新たに担当することになったのが、江原道(カンウォンド)の辺境にある「ジャガイモ研究所」の構造改革である。そこの臨時所長を任されて、颯爽と乗り込んできた……が、ソツがないはずのベクホとしては、今までと勝手がまるで違った。
なにしろ研究員たちは異様なほど仲がいいし、近所の住民たちは偏屈な人ばかりだ。彼は「人情がない男」と見なされて、極端なイジワルをされる。それは、私道を通るなら通行料を払え、というものだった。ゲストハウスに住むことになった彼は、研究所に行くのに地元住民の私道を通らざるを得ない。しかし、原則主義者の彼は不必要な金など絶対に払いたくないのだ。そこで、山道を通ろうとするのだが、それは想像できないほどの苦行となった。そんなわけで、ベクホは本当に悲惨な目にあってしまう。
特にベクホを悩ませるのが、イ・ソンビンが演じているキム・ミギョンである。彼女は「ジャガイモ研究所」研究チーム代理であり、ベクホが住んでいるゲストハウスの隣人だ(ゲストハウスの持ち主がミギョンの弟)。

ミギョンはクセが強いスーパー研究員。農作業をこなし、報告書を巧みに書き、品種改良にも熱心だ。本当によく働いている。しかも、スコップやツルハシなども巧みに操る。そんな無敵の研究員にとって、とうてい容認できないのがベクホという男なのである。
人格者だった所長をクビにして代わりにベクホがやってきたので、ミギョンは仕返しがしたくて仕方がない。そこで反骨精神をむきだしにして、ベクホに逆らい続けていく。ソウルでは優雅な理事でいられたベクホも、勝手が違う辺境の地では、完璧主義者の看板を下ろさなければならなくなる。

その末に、韓国ドラマが得意にするキャラ変が起こる……まさに、ドラマ『ジャガイモ研究所』の痛快さは、ツンデレの完璧主義者が想定外の恋でガタガタに崩れるところにある。その変貌ぶりをカン・テオが可笑しく演じていた。

素晴らしい経験を積める重要なドラマ

彼は本当に懐の深い俳優である。2019年に制作された『ノクドゥ伝~花に降る月明り~』に出演したときは、イケメンの御曹司に扮していると思われた。しかし、ドラマの後半になると極端な悪役へと変貌していく。その激しいギャップに私は大いに驚かされた。カン・テオはそうしたキャラクターの変化を巧みに演じていた。

一方、『ウ・ヨンウ弁護士は天才肌』ではまったく違う顔を見せている。本当に人の良い好青年イ・ジュノに扮していたのだ。パク・ウンビンが演じた主人公のウ・ヨンウを優しく支えながら深く愛していくという、変化を伴う役どころであった。彼は表現力が豊かなので、発する言葉にも強い説得力がある。さらに、ふと見せる笑顔が魅力的である。

そういう豊かな感性を持ったカン・テオが、『ジャガイモ研究所』ではひと癖あるキャラに扮している。この作品もまた、彼にとって素晴らしい経験を積める重要なドラマになったことだろう。

文=康 熙奉(カン ヒボン/作家および韓流ジャーナリスト)

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