映画に対する鋭い指摘
ドラマ『誰だって無価値な自分と闘っている』には、個性豊かなキャラクターが次々と登場し、物語を盛り上げている。今回スポットを当てたいのは、ヒロインのピョン・ウナ(コ・ユンジョン)と激しく対立するチェ・ヒョジン(パク・イェニ)である。
本作の重要な要素として、大学時代の映画サークルのメンバーで結成された「8人会」というグループが登場する。メンバーは全員が映画関係の仕事に携わっており、ヒョジンはその中で最年少でありながら、映画会社「チェ・フィルム」の企画PDとして重要な役割を担っている。
一方、ウナも同じくチェ・フィルムで企画PDを務めているが、彼女は事務員から抜擢されて企画部門に配属されたという経歴を持つ。ウナは当初、映画に対する鋭い指摘を連発し、チェ・フィルムの代表であるチェ・ドンヒョン(チェ・ウォニョン)から大いに能力を買われていた。その後、ドンヒョンは彼女に対して冷たい態度を取るようになる。ウナの映画を見る目の鋭さにドンヒョンが恐れをなしたからなのかもしれない。
ドンマンの書いた脚本
社内において、さらにウナに厳しい視線を向けているのがヒョジンである。彼女は本作の主人公であるファン・ドンマン(ク・ギョファン)のことも非常に嫌っており、彼に対しても容赦のない厳しい言葉を放っている。ウナはこうしたヒョジンの態度を快く思っておらず、明確な抗議の姿勢を見せている。
それにしても、ドンマンは20年間ずっと映画監督になることを夢見てきたものの、結局まだ1本も監督として作品を作っていない。長年うだつが上がらないままだ。その割には態度が大きく、他人の作品を徹底的に批判する癖がある。それは彼自身の深い嫉妬から生まれているのかもしれない。さらに、ドンマンは汚い言葉で他人の揚げ足を取るため、ヒョジンは彼のことをよけいに敬遠している。それならば、ドンマンがいる「8人会」を辞めてしまえばいいと思うのだが、ヒョジンはそうしない。彼女にとってこのコミュニティは、自分のキャリアに役に立つと考えているからだろう。
一方、チェ・フィルム社内におけるヒョジンとウナの対立構造は、ドンマンの存在によってますます激しくなっていく。ヒョジンは、ウナがドンマンの書いた脚本を高く評価していることすら気に入らない。
さらには、ウナが「ドンマンと付き合いたい」とまで公言していることに対して、ヒョジンは呆れるばかりであった。こうして、ドンマンに対する評価や価値観の決定的な違いも相まって、ウナとヒョジンの対立構造は修復不可能なほどに激化していく。
視聴者に緊張感を与える対立構造
振り返ってみれば、韓国ドラマはキャラクターの対立構造を好んで取り上げている。登場人物たちは問題をうやむやにせず、とことんぶつかり合い、お互いの正義や価値観の違いを徹底的に明らかにする。この「白黒はっきりさせる」「徹底的に言葉を尽くす」というアプローチには、韓国の文化的背景が色濃く反映されている。
調和を重んじて波風を立てない、という描き方では、ドラマは平板になってしまう。むしろ、妥協なきぶつかり合いが、視聴者に緊張感を与える。こうした対立構造を『誰だって無価値な自分と闘っている』も生かしており、その象徴が「ウナVSヒョジン」なのである。
結局、徹底的な対立の果てに登場人物の「素の姿」が見えてくる。そこにあるのは、真の理解につながるカタルシスなのか、あるいは、最後までわかりあえない分裂なのか。対立構造の終着点こそが、ドラマの最大の見どころになっている。
文章執筆=康 大地(こう だいち/韓流ジャーナリスト)
画像=Gemini



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